こんにちは、トモです。
ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 では、オリジナリティ溢れる発想でイノベーションを起こした人々の特徴や思考を著者の研究成果を交えて解説しています。
今回は、成功を導くアイデアを選び取る方法について、本書の内容を噛み砕いて、トモ的解釈も交えて、解説していこうかなと。
早速、本記事で伝えたいことを記しておきます。
主題は、次の一点だけです。
成功を導くアイデアは作るんじゃない、選び取るもの
その上で、アイデアを選び取るコツを3つ紹介します。
- とりあえずたくさんのアイデアを出す
- 同業の仲間からの意見を聞く
- 直感と分析の使い所を知る
興味ある方は続きをどうぞ〜。それでは、参りましょう。
成功を導くアイデアは選び取るもの【前提であり結論です】
まず、成功を導くアイデアの生まれ方について前提を解説しておきます。
(実はこの前提がこの記事の最も主張したい部分になるのですが。)
学校や職場でなにかアイデアを出さなくてはならないことってありますよね。
例えば、部署で新しい商品を出さないといけないとします。
みんなでアイデア出しを行いますが、これといったアイデアが出てきません。
こんなとき、「もっと才能やセンスがあれば、画期的なアイデアを思いつくのになぁ」と思ってしまうのが自然の流れです。
あまり良いアイデアが思い浮かばないのは、良いアイデアを生む実力が自分にはないんだと思ってしまうんですね。
でも、本書ではその点を前提として否定してまして、
実際は、
"オリジナリティを阻む最大の障害はアイデアの「創出」ではない---アイデアの「選定」なのだ。"
出典:"ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代"
と主張してます。
つまり、良いアイデアっていうのは、オリジナリティ溢れる、天才的な人が、一発で思いつくようなものではないと。(一部の天才はいますが、それは少数)
良いアイデアは、たくさんのアイデアがある中の一部として生まれてくるレアケースで、どちらかというとその中から探し出す方が重要な過程ですよ~ってわけです。
成功するアイデアを選び取るために大切なこと【3つあります】
そうなると、気になるのはたくさんのアイデアの中から成功に繋がるアイデアを選びだす方法なわけで。
本書では、そのへんのテクニックが紹介されておりまして、ざっくりまとめたものが冒頭で挙げた3点ですね。下にもう一度記しときます。
- とりあえずたくさんのアイデアを出す
- 同業の仲間からの意見を聞く
- 直感と分析の使い所を知る
以下、踏み込んで解説しますね。
とりあえずたくさんのアイデアを出す
一つ目は、アイデア出しの話です。
アイデアの創出より選定の方が大事だよ~と言いましたが、選定するためにはたくさんのアイデアがあることが前提ですよね。
まずは、
- なんでもいいからアイデアを大量生産
しちゃいましょう。
このとき、「すごいアイデアを考えてやろう!」とか思わなくて良いです。
思い浮かぶままに、アイデアを挙げていくんです。
おそらく、はじめのほうは誰もが思いつくような定番のアイデアがポンポン出てくると思います。
そして、数を出していくうちに、だんだんネタが無くなってきます。
それでも、なんとかアイデアを絞り出していくとその人の個性が反映されたアイデアが顔を出すんですね。
つまり、とにかくたくさんのアイデアを出していくと、
- アイデアに多様性が生まれ、多様性が独自性(オリジナリティ)に繋がる
というわけです。
たくさんのアイデアを出すことが、良いアイデアを生むために必要だということは、以下の例のような、あらゆるジャンルの著名な偉人の作品数からも明らかなんですね。
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団による「最高のクラシック名曲50選」のリストには、モーツァルトが6曲、ベートーベンが5曲、バッハが3曲、あげられてますが、
一生のうちで彼らが作曲した曲数は、モーツァルトが600曲、ベートーベンが650曲、バッハは1000曲以上と圧倒的に多いんですね。
そして、15000曲以上のクラシック楽曲を対象にした研究結果によると、作曲家が、ある5年間で作曲した曲の数が多くなるほどヒット作が増加することがわかっています。
ピカソの全作品は、絵画、彫刻、陶芸、デッサン、版画など様々なジャンルで20000点ほどありますが、高く評価されているのはそのうちわずかです。
同業の仲間からの意見を聞く
二つ目は、アイデアの選定をするために、誰の意見に耳を傾ければよいかというはなし。
本書では、意見を参考にする相手として、
- 自分
- 上司(管理職)
- 同業の仲間(利害関係はない)
の3人を挙げているんですが、
この中で最も成功するアイデアを選び取ることが出来るのは、同業の仲間なんですね。
自分と上司の意見が参考にならない理由を以下に記します。
- 自分: 自信過剰
- 上司: 高すぎる専門性と保守的な姿勢
自分: 自信過剰
人は自分の作品や、アイデアの評価を高く見積もりがちです。
選定には客観的な視点が必要ですが、自信過剰な状態は正確な判断ができなくなります。
上司: 高すぎる専門性と保守的な姿勢
ある業界に長く居続けると、高い専門性を持つことになります。これは良い点でもありますが、観念が一つに固定されることでもあるんですね。柔軟な発想ができなくなるってことです。
また、一般的に管理職は保守的になるため、思い切った選定を行えなくなります。
その点、同業の仲間は、専門性と客観性を兼ね備えており、利害関係がないため保守的にもなりません。アイデアを正確に評価するのに適した人材なのです。
直感と分析の使い所を知ること
三つ目は、直感と分析についてです。
アイデアを選ぶときに直感に従って選ぶのか分析を行うのかどちらが良いのでしょうか。
実は、直感が効果を発揮するのは、経験が豊富な分野に限るのです。
これについては、わかりやすい例があったので紹介しておきます。
棋士の羽生善治さんは、将棋界で初の永世七冠を達成した将棋界の大スターです。
かつては、「千手先を読む」とまで言われており、緻密な戦略が持ち味でした。
しかし、経歴を重ねたときに、直感で次に打つべき一手がわかった瞬間があったそうです。
-詳しく知りたい人は、2006年に放送されたNHKの番組「プロフェッショナル」の「直感は経験で磨く-棋士・羽生善治-」を見ることをおすすめします。-
これこそ、豊富な経験が作り上げた確かな結果を出す直感というものです。
これは逆に言うと、経験が浅い分野で直感に頼るのは危険であるともいえます。
では、経験が浅い分野についてはどうすれば良いのよとなると、
ここで、分析をすることが重要になります。
もし、直感で選択をしようとしているときは、一度自分がその分野での経験が豊富か考えてみてください。
そして、経験が浅いのなら分析をして、客観的なデータから選択をしてみましょう。
まとめ【良いアイデアは選び取るもの】
今回は、アイデアの生み方について新しい視点が得られたんじゃないでしょうか。
私たちは、良いアイデア、成功に導いてくれるアイデアを、作り出すことに力を入れがちです。
しかし、良いアイデアが日の目を見るためには、アイデアの山の中から見つけ出されなければ意味がないのです。
読まれない傑作は駄作ってことです。
アイデアを正確に評価して、実行に移すためには、アイデアの選球眼を持つことが重要なんですね。
成功を導くアイデアは作るんじゃない、選び取るもの
その上で、アイデアを選び取るコツを3つ紹介しました。
- とりあえずたくさんのアイデアを出す
- 同業の仲間からの意見を聞く
- 直感と分析の使い所を知る
今回は、以上です。