こんにちは、トモです。
ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 では、オリジナリティを発揮してイノベーションを起こすにはどうすればよいのか著者の研究成果が記されています。
今回は、オリジナリティを発揮できる仲間作りについて解説します。
目標を達成する上で、仲間との強い協力関係は重要な要素となります。仲間はパワーの源になり、目標の達成率を上昇させます。
しかし、仲間関係は諸刃の剣であり、一歩間違えば仲違いで計画が破綻してしまうこともあります。
つまり、仲間選びはオリジナリティの実現において、失敗が許されない選択なのです。
この記事は、次のような人が対象です。
- オリジナリティを加速させる仲間が欲しい
- 仲間にしてはいけない人の特徴を知りたい
- 仲間を作る説得術を知りたい
早速ですが、結論を先に書きます。
- 目的が似ていて手段が異なる人
- 味方になったり敵になったりする人
- 奇抜すぎるアイデアは目的ではなく手段にフォーカスしろ
- 奇抜なアイデアには親しみやすさを加えろ
気になる方は続きを読んでみてください。
仲間にしてはいけない人【こんな人は避けてください!】
仲間にしてはいけない人の特徴は以下です。
- 目的が似ていて手段が異なる人
- 味方になったり敵になったりする人
順番に説明していきます。
目的が似ていて手段が異なる人
仲間になるのは目的が一緒の人だと思っていませんか?
確かに、ほとんどの団体、組織は目的を共有して活動しています。
学校のクラブなら大会に優勝するため。会社なら、プロジェクトを成功させるため。
人々が一致団結するのは目的を共有しているからにほかなりません。
しかし、目的を共有しているだけでは、強い結束を作ることはできないのです。
むしろ、目的が同じだからこそ対立を生む可能性も高まっているのです。
例えば、宗教。同じ宗教でも、異なる宗派間で対立が起きることはしばしばですよね。
キリスト教では、カトリックとプロテスタント。イスラム教に至っては、宗派間の対立が激しさを増しています。
もう一つ、もっと身近な例えとして、ある商品を売るセールスマンを考えてみましょう。同じ商品を販売する、AさんとBさんがいます。
Aさんは、お客様の悩みごとを真摯に受け止め、費用も考慮した、最適な商品を売るというスタンス。
一方、Bさんは言葉巧みに高い商品を売るというスタンスを取っているとします。
AさんとBさんどちらも自社の商品を売るという目的は共有しているはずですが、AさんがBさんの販売方法に不満を持つであろうことは容易に想像できます。
ここで、対立を生んでいるのは手段の相違です。
目的が同じであっても手段が異なるため、対立が起きているのです。
本書では、この対立を、横方向の敵対心と呼んでいます。
対立する傾向が強いグループは、比較的近いもの同士。似た者同士が対立し合う。ということです。
- 協力関係を結ぶ時に重要なのは、手段の類似性。
- 目的が異なっても、手段に類似性があればよい関係を築ける。
味方になったり敵になったりする人
仲間を選ぶときどのような視点で選んでいますか?一番かんたんな選び方は、自分にとってプラスになるか、マイナスになるかで判断することです。
これは、人間関係を2つの柱。つまり、プラスの関係、マイナスの関係で考えているということです。プラスの人よりマイナスの人のほうが仲間にしたくないですよね。
しかし、もっと仲間にしてはいけない人がいます。それが、プラスでもありマイナスでもある、フレネミー(フレンドとエネミー)です。
フレネミーは、その時その時で、プラスの関係を築く事もあれば、マイナスの関係も築くこともある人のことです。いわゆる、どっちつかずですね。
フレネミーと関わると、信用するときと信用できないときが混在します。結果、信用してよいかどうかの判断がつかず、心理的ストレスを生みます。
一つの実験を紹介します。警察官を対象にした実験で、信頼する同僚に邪険にされたときと、信頼していない同僚に親切にされたときのストレスレベルを計測するものです。
信頼する同僚に邪険にされた場合、ストレスレベルは上昇します。これは、想像に難くないでしょう。
しかし、驚くべきは二つ目。信頼していない同僚に親切にされたときのストレスレベルも同様に上昇したのです。つまり、信用できるかどうかわからない不安定な状況が最も危険なのです。
皆さんも、次のようなこと体験していませんか?
- 機嫌がコロコロ変わる上司に精神的に振り回されている。
- いつも挨拶してくれる人が、挨拶してくれなくて気持ちが沈んだ。
- LINEの会話が続いていた好きな人から返信が来なくなり、不安な気持ちになった。
これらはすべて、相手の状態が判断できないという不安定さが生み出しているストレスです。
結果として、フレネミーな気質を持っている人は避けたほうが良いでしょう。
味方にすべき人【敵を仲間にしろ!】
では、逆に仲間にすべき人はどのような人なのでしょう?
それは、はじめは懐疑的だったが、徐々に同調してくれた人です。
つまり、敵だったけど、改めて見直したところがあり仲間になった人ですね。
敵から仲間になった人は次の特徴を持っています。
- はじめは懐疑的であったため、YESマンにならない。
- 信頼関係が強くなる。
- 同じように敵対している人を仲間に引き込める。
順番に説明しますね。
敵から仲間になった人は、当然初めは敵対心を持っていたはずです。
このような人は、初めから同調し仲間になった人より、率直で対等な理解者になる可能性が高いです。いわゆるYESマンにはなりにくいです。
また、徐々に同調していったということは、仲間になるために、はじめの考えを改めたということです。
相手の良い点を見つけ、自分の考えを改めるという過程を踏んでいるため、自分の判断を正当化するために良い点を探し続ける熱烈な協力者になる可能性が高いです。
更に、もとは敵対していたため、反対側の意見も理解しています。そのため、敵対している人を仲間に引き込む能力が高いです。結果、さらに仲間を連れてくる可能性が高いです。
このように、敵対している人は説得し仲間にすることで、強力な結束関係を作ることができるのです。
フレネミーを切り捨てて、敵を仲間にせよ。
仲間を作る方法【敵を仲間にする説得術】
敵を味方にすると良いことを説明しましたが、敵対している人を説得し仲間に引き込むにはどうしたら良いでしょうか?
ここからは、仲間を作る説得術を解説していきますね。
仲間を作る方法は以下です。
- 奇抜すぎるアイデアは目的ではなく手段にフォーカスしろ
- 奇抜なアイデアには親しみやすさを加えろ
順番に説明していきます。
奇抜すぎるアイデアは目的ではなく手段にフォーカスしろ
一つ目は、敵対する相手に対しては最終目的ではなく、具体的な手段の提案をするというものです。
例えば、どこでもドアを作る方法に気づいたとします。理論的裏付けはとれ、あとは技術的な問題が残ったとします。
実際にどこでもドアを作るために、必要な技術を提供してくれる専門家を集めなければいけません。
各専門家のところまで行って、協力をお願いするんですね。
ここで、次の二つの誘い方があります。
- どこでもドアを作りたいので~という技術の提供をしてほしい。
- (どこでもドアを作るために)~という技術で、電磁波を遮断するドアノブを作って欲しい。
一つ目は、どこでもドアを作るという壮大な目標を説明しています。
二つ目は、目標については伏せて、具体的な手段について説明しています。
これらのうち、説得しやすい誘い方は、二つ目になります。
どこでもドアという、奇抜で壮大なアイデアを説明すると、ときに既存の常識や思い込み(そんなものできっこない)と衝突してしまいます。
しかし、二つ目の具体的な手段(ここでは電磁波を遮断するドアノブ)にフォーカスして説明すれば、協力してくれる可能性が高まります。
敵対しそうな相手には、壮大なビジョンを語るのではなく、具体的な手段を語り仲間に引き込む。
奇抜なアイデアには親しみやすさを加えろ
二つ目は、受け入れにくいアイデアに身近な要素を加えると受け入れやすくなるというものです。
一つの例を紹介します。ディズニー映画の「ライオンキング」は、提案当初、トップ層の反応はイマイチなものでした。トップ層には、ライオンを主人公にした王家継承の物語と伝えてもピンとこなかったそうで、「バンビ」のライオン版だろくらいの反響だったそう。しかし、ある人がシェークスピアの「ハムレット」のようだと発言するや否や、一気に今のライオンキングが具体化されていったという話です。
ここで重要な点は、理解されていなかった提案が、身近な要素を加えたことで理解されるに至ったという点です。
実はこのテクニックは何かを説明するときによく使われています。それは、この記事でも使っている、例え話です。
例え話は、そのままでは分かりづらい抽象的なことを、具体的で身近な想像しやすいことに置き換えて説明することで、理解を促すことができます。
説得する際は、相手の身近なものと関連づけてあげれば、説得の確率が高くなる。
まとめ【仲間選びが勝敗を決める】
まとめます。今回は、オリジナリティを加速させ、実現させるための、仲間選びについてでした。どんな仲間を選ぶのか。避けるべき相手は誰なのか。仲間にする説得方法にはどんなものがあるのか説明しました。
ポイントは以下です。
- 目的が似ていて手段が異なる人
- 味方になったり敵になったりする人
- 奇抜すぎるアイデアは目的ではなく手段にフォーカスしろ
- 奇抜なアイデアには親しみやすさを加えろ
トモ的解釈【人間関係の仕組みを学んで仲間を作ろう】
ここからは、トモ的解釈を述べていきます。
私は、現在サラリーマンで企業に勤めていますが、フレネミーの話で共感する点がありました。
私の解釈では、フレネミーはどっちつかずの人で、感じが良い時もあれば悪い時もあるみたいなイメージの人です。
特に会社で身近な人にこのような人がいると、気持ちが揺さぶられる感覚はよくわかるなぁと思いました。
今回、避けるべき人と、仲間にすべき人、そして仲間の作り方を説明してきましたが、私のようなサラリーマンは仲間を選ぶなんて自由度はないことがほとんどですよね。
実際は、配属された部署でさまざまな人がいる中、何とかしてプロジェクトを達成していかなければならないのです。フレネミーな人であっても、パートナーになってしまえばある程度上手くやっていくしかないのが現実です。
こんな私たちでも、今回の話を有意義なものにするにはどうしたら良いのか私の考えは以下です。
- 会社では、人間関係の仕組みを学ぶ。
- 本業以外で、積極的に仲間を選び活動する。
会社のような、閉鎖した空間では、仲間を選択するなんて贅沢なことはできません。その場に配属された人達でなんとか仕事をこなしていくしかないからです。それなら、逆に閉鎖された空間でどのような人間関係が渦巻いているのか、今回説明したことを当てはめて分析してみると良いでしょう。
- あの人といると気持ちが落ち着かないのはなぜだろう?
- どうしてあの上司はプロジェクトを成功に導けたのだろう?
- 協力した部下にどのように接しているのだろう?
と考えてみることです。人を見る目を養うということですね。
そして、本業以外では積極的に仲間を選んで活動していきましょう。副業でも、サークルでもボランティアでも構いません。
個人的な活動の良い点は、自己決定権があることです。
会社と違ってある意味で強制的に働かされているわけではありません。
人間の幸福は、自己コントロール感にあり、自分の行動は自分で決めていると感じることが幸福感に繋がるのです。
つまり、自由に行動できる場所で積極的に仲間を作ってオリジナリティを発揮しちゃおう!って訳ですね。
今回は、以上です。