こんにちは、トモです。
ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 では、オリジナリティ溢れる発想でイノベーションを起こした人々の特徴や思考を著者の研究成果を交えて解説しています。
今回は、オリジナリティを保ち続ける組織とはどのようなものかについて解説していきます。
この記事は以下の人を対象にしています。
- オリジナルズの概要を知りたい
- オリジナリティを保ち繁栄する組織の特徴を知りたい
- 集団思考に陥らないための考え方を知りたい
興味があれば、続きをどうぞ。
ダメになる組織は集団思考に陥る
早速、本記事の二つの結論をお話しします。
第一の結論ですが、組織が弱体化する原因についてです。
- 組織のオリジナリティがなくなる原因は、集団思考にとらわれること
集団思考にとらわれてしまう流れは後述します。
続いて、第二の結論は、集団思考に陥らない組織づくりに重要な点です。
- 反対意見が発信される環境を作る
- 解決策ファーストより問題ファースト
以上の2点です。
これらの結論に帰着するということを念頭に置きながら。読み進めてください。
組織が衰退する原因【異様な団結力のせい】
大企業のような繁栄した会社が、小さな新進気鋭の会社に出し抜かれることってありますよね。
なぜ、技術力やノウハウがあるはずの大きな会社が、追い抜かれるなんてことが起きるのでしょう。
その原因は、団結力です。
正確に言えば、大きな流れに乗るしか選択できないような、
異様な団結力 = 集団思考 です。
そうです、集団思考の暴走が、組織を破滅に導くのです。
そこには、初期段階の組織の繁栄が抱えるパラドックスが関係してるんですね。
つまり、繁栄に貢献した要因が、衰退への足がかりになっていた、ということです。
では、集団思考を取り除くにはどうすればよいのでしょうか。
その糸口を探すためには、まず繁栄と衰退のパラドックスを知っておく必要があります。
さあ、一つずつ、順番に説明していきますね。
繁栄が衰退を導く【会社の業績と社員の気質】
そもそも、繁栄しやすい組織の特徴はあるのでしょうか。
実は、発足初期の組織と初期以降(安定期)の組織で繁栄する特徴が異なるのです。
ある調査を例に説明します。
この調査は、会社発足時に重要視していた点とその後の繁栄の相関を調べたもので、以下3パターンの経営モデルに分類されました。
- 専門型
- スター型
- 献身型
これは、経営者が従業員の気質として何を求めるかによって分類されています。
以下、それぞれの特徴です。
専門型 | 社員の技術力や専門性を重視する |
---|---|
スター型 | 今の技術力や専門性ではなく素質や、成長性を重視する |
献身型 | 会社の風土や理念に共感しているかどうかを重視する |
発足初期の会社の中で、著しい発展の傾向が現れ、一早く上場を果たしたのは、献身型の会社でした。
つまり、会社の業績を軌道に乗せ繁栄への足掛かりを作るためには、献身的な社員の力が大きく貢献するということです。
例えば、会社の理念、目標に共感し、夜遅くまで会社のために働く社員を想像してみてください。
会社の基盤がしっかりしていない時期には、この様な社員の力が必要になるのです。
一方で、調査結果では、献身型の会社は
市場にある程度の地位を築いた後、衰退していく確率が高いそうです。
そして、その理由が、集団思考というわけです。
なぜ、集団思考が生まれるのか
どうして、献身型の会社で集団思考が生まれてしまうのでしょうか?
それは、献身的な社員の特徴を考えればわかりやすいです。
献身的な社員の特徴は以下のようなものです。
- 会社の理念に共感している
- 仲間と団結するのが得意
一見良い特徴のように見えます。実際、理念を共有した団結によって困難な課題を解決することも出来るはずです。
しかし、団結はときに自由な発言を抑圧することがあるというのがポイントです。
考えてみてください、あなたが一つの理念で結びついた集団、一人の絶対的リーダーが仕切っている組織に属しているところを。
とても、反対意見なんて言えませんよね?特に、献身型の社員が多いまま、成長した企業はこの傾向が強く現れます。
このように、献身型の特徴を持った社員が多くいる会社では、集団思考に陥る確率が上がります。
結果、大企業であっても(むしろ大企業だからこそ)正しい経営判断ができずに衰退してしまうのです。
集団思考を避けるには【環境と上司の振る舞いが重要】
では、どのようにすれば集団思考を避けることができるのかという話に移りましょう。
本書では、集団思考に陥ることなく、オリジナリティ溢れるアイデアを出し続けられ組織づくりの方法が示してあります。
重要な点は以下の2つです。
- 反対意見が発信される環境を作る
- 解決策ファーストより問題ファースト
順番に説明します。
反対意見が発信されるを環境作る
集団思考から逃れるには、反対意見が必要です。
集団思考はいわば一つの視点から物事を見ている状態。
一つの方向だけから物事を見ていると、人は、こうだ!と信じたものが正しく見える「確証バイアス」というバイアスにかかるんですね。
この状態を抜け出すには、真逆の意見を聞く必要があります。
そうなってくると、反対意見が発信されて、みんなが聞くことが出来る環境づくりが重要になるんですね。環境を作る上で大事な要素はメンバーの性質です。つまり、反対意見を臆せず発信する人が重要になってきます。
反対意見が出やすくなる組織に属する社員の特徴は以下です。
- 好奇心が強く
- 周りに同調せず
- 反抗的
これら3つの特徴を示す社員を採用することで、反対意見が出やすくなるでしょう。
また、集団思考に囚われそうなとき、冷静になってこれらの性質を失っていないか考えてみてください。
きっと、正しい判断をする手助けになるはずです。
解決策ファーストより問題ファースト
次は、集団思考を避けるためのリーダーの振る舞い方です。
集団思考を避けるために、上司が部下にいうべき言葉は以下の2つのうちどちらでしょうか?
- 問題の解決策をもってこい
- 問題だと思うこと持ってこい
1つ目は、部下に解決策の提示を求めるもので、
2つ目は、問題の発見を求めています。
実は、集団思考を避けるには2つ目の問題ファーストな考え方が大事なんですね。
その理由は、
- 解決策に焦点を当てると探究心が削がれる
- 解決策の前に問題をクリアにする
です。
解決策に焦点を当てると探究心が削がれる
いつも答えを用意しておくようにと言われていると、誰かに話す前に結論を出してしまいます。
その結果、
- 幅広い視野で学ぶことができなくなってしまいます。
部下に、解決策の提案を強いることは返って逆効果になるかもしれません。
解決策の前に問題をクリアにする
グループ内の問題は複雑な要因が絡み合って起きていることがほとんどです。
上司の役割は、
- まず様々な人の意見を聞いて、問題の本質を整理すること。
です。解決策を模索するのは、その後です。
そのために、部下からは問題だと思うことを挙げてもらう必要があるんですね。
まとめ【集団思考の対策を知ろう】
今回は、オリジナリティを邪魔する、集団思考についてのお話でした。
まとめます。
- 組織が弱体化しオリジナリティがなくなっていく原因は、集団思考にとらわれるから
集団思考に陥らない組織づくりに重要な点は、
- 反対意見を発信できる環境を作る
- 解決策ファーストより問題ファーストになる
一人では実現できないことが出来るため、組織に属することはメリットでもあります。
一方で、規模が大きくなればなるほど、集団思考による判断の偏りが現れてしまうのです。
以上のことに気をつけて、集団思考にはまらず正しい判断をしてくださいね。
今回は以上です。